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フジゼミ WEBMAGAZINE : 少年院から早稲田へ

少年院から早稲田へ 全記録④


〇英文読解(1)
 
中学英文法が終盤に差し掛かった4月下旬から英文読解の講義を開始しました。
授業では,速読英単語入門編(Z会出版)をメイン教材とし,

・不定詞は名詞用法/形容詞用法/副詞用法のどれか?

・thatは接続詞/関係代名詞/同格のどれか?

・Vingは進行形/動名詞/形容詞用法/分詞構文のどれか?

・Vppは進行形/動名詞/形容詞用法/分詞構文のどれか?

・whatは疑問詞か関係代名詞か?

・自動詞か他動詞か?その根拠は?

・asは前置詞か接続詞か?その根拠は?

・andは何と何を結ぶのか?どこに着目したか?

・どこに何が省略されているか(関係代名詞や接続詞thatの省略)?

などなど,文構造が理解できているかを徹底的にチェックします。

 
50分間の授業内で,50~多い時には100項目くらいの質問が次々と浴びせられます。
毎回2~3つの英文読解×週3回のペースで授業はすすむので,
予習はなかなかハードです。
速単入門編には和訳が書いてありますが,
「何となく」というフィーリングで読んでいる人は授業で丸裸にされます。
 
ただ,2・3週間もすれば,講師の質問に対して即答で答えられるようになります。
その頃には,「英文が読める」という感覚と自信が徐々に身についてきます。
K君も最初は1つの英文の予習で1時間ほどかかっていたけど,
次第に余裕が持てていることは講義をしていても伝わってきました。




少年院から早稲田へ 全記録③

 
〇中学英文法の勉強法

 
2018年3月12日,フジゼミ生として初日を迎えました。
他のゼミ生と同じように,英語の実力テストをしたところ,
中1レベル:50点
中2レベル:20点
中3レベル:11点
という結果で,英語は完全にゼロからやることが確定しました。
 
 
メイン教材として,都麦出版「みるみるわかるステップ式英語」を使用しました。
この問題集は基本レベルを中心に,初学者でも進められるよう配慮されており,
フジゼミではとても重宝しています。
 



基本問題は問題集に直接書き込み,
それぞれの章の終わりにある「練習問題A・B」と「ハイスピード演習」は
ノートに書いて反復学習することを指示しました。
 
このとき,「単に答えを書くだけでなく,英文全体を書くこと」を徹底するよう言いました。
例えば,We ( visit , walk , enjoy ) to school every day.という問題であれば,
walkとだけ書くのではなく,
We walk to school every day.と文全体を書くのです。
 
これを続けることで,英文の構成や語順などの感覚が自然と身についてきます。
語彙の訓練にもなります。
1日20題×30日×12ヶ月=年間7,200題を解くとして,
単に答えだけを書く場合と英文全体を書く場合とでは大きな差がつきます。
K君は中学→高校基礎→ネクステとステップアップしても,
英文全体を書くということを着実に実行しました。
だから,整序問題も最初から強かったし,
文法以外の項目に対する対応力も自然と備わっていったのではないかと思います。
 
また,反復学習が大事と言っても,
単に何周も繰り返すのではなく,
確信を持てる問題:〇
いちおう解けるが確信は持てない問題:△
間違えた問題・解けない問題:×
というように分類し,△と×の問題に絞って取り組みました。


中学2年の「未来形」からは学校で習った記憶もほとんどないということだったので,
映像授業+問題集のセットで進めました。
最終的には,「この問題集は全問完璧に解ける」というレベルに到達して中学英文法の学習をクリアとしました。

中学3年分が完璧になるまでに要した時間は1.5ヶ月です。
3月はほぼ英語中心だったとはいえ,ゼロから始めたにしてはなかなかのスピードです。
常に「効率」と「要領」を意識するよう言ってきましたが,
基礎レベルの段階で勉強のやり方や意識が確立できたことも大きいと思います。

 
 
 
[反復学習管理シート]
毎日講師がチェックしました。
 
[当時のノート]
英文
全体を書くことを徹底しています。
 

少年院から早稲田へ 全記録②

 
2019年2月28日
 
大学受験を終えたK君と,この1年間の勉強の振り返りをしました。
雑談をはさみながら約4時間かかりましたが,おかげで中身の濃い話ができました。
内容はボイスレコーダーに記録してあるので,
全て文字起こしをすすめて紹介していきたいと思います。
 
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K君がフジゼミを訪ねてきたのは2018年3月8日のことですが,
実はすぐには入塾を許可しませんでした。
というのも,いくら本人がやる気になったとはいえ,
あくまでそれは少年院という管理され制約された環境の中でのことです。
出院したのはわずか3日前のことで,
自由な環境になれば考えが変わる可能性も大いにあります。
 
会話の内容からK君が完全初学者であることは明らかでしたし,
入試までの期間は11ヶ月しかありません。
まずは勉強よりも日常生活に慣れることを優先させ,
せめて1年半くらいかけて目指す方が現実的ではないかということを提案したのです。
 
すると,
「約3カ月前に保護司さんを通じてフジゼミを知って以来,
出院後は絶対にここでやると決めていた。
本も何度も読んで楽しみにしていたのに,まだ早いだなんて言わないでください。」
と懇願されました。
それでやっと入塾を認めたわけです。
 
 
そんなK君ですが,
今日いろいろ話をする中で
「なるほど!だからこの1年間,ひたすら勉強に打ちこめたのか!」
と感心したことがあります。
 
彼は少年院に入ったことがとてつもなくショックだったようで,
この大きなマイナスを挽回するにはどうしたらよいか?ということを
入った当初から毎晩のように考えていたそうなのです。
それで「公認会計士を目指す」という目標を立て,
少ない自由時間を使って簿記の勉強をひたすらしていたというのです。
 
最初は差し入れてもらった「合格体験記」を5冊熟読し,
反復学習をはじめとする勉強法を徹底的に学んだそうです。
少年院の中では検定試験を受けることはできませんが,
ゼロからはじめて簿記3級→2級→1級とひたすら勉強し,
政治経済の参考書で経済用語や需要供給曲線に至るまで
ノートに丁寧にまとめていったというのです。
その実物がこちらです。

 
 
こういう経緯もあり,
大学受験勉強は初学者とはいえ,
すでに勉強の下地はあったのですね。
フジゼミでも最初からエンジン全開で突っ走れたというのも納得です。
 
 
彼は少年院に入ったことを大いに反省していますが,
同時にそのおかげでいろいろなことに気づけたこと,
それが今につながったことに深く感謝しています。
そういうこともあり,少年院というマイナス面も含めて
真正面から向き合って進んでいくという気持ちになったようです。
 
今回はここまでにします。
次回から,具体的な勉強内容を紹介していきます。
 
 
 
 
余談ですが,
少年院では反省文を毎日のように書かされます。
K君も1年4か月入っていたので,何百枚という反省文を書いたとか。
少年院を経験した子というのは総じて字がとてもキレイですが,
K君を見て改めてそう思いました。
 
 

少年院から早稲田へ 全記録①

 
「フジゼミ実況中継」で紹介してきたK.Y君(以下K君)が,
このたび第一志望の早稲田大学に合格しました。
 
実はこのK君,フジゼミに入塾する前は少年院に入っていたという
驚きの経歴の持ち主です。
出院したのは昨年3月5日なので,
1年前の今頃はまだ少年院の中にいたということです。
 
英語は中1のbe動詞から,世界史は学習マンガからと,
完全ゼロから勉強を始めたのが昨年3月12日のことです。
そこから1年足らずで快挙達成となりました。
 
その努力と成果を讃えるのはもちろんですが,
彼を1年間指導し,成長を見届けた立場として,
その実践をきちんと検証し直し、後に続く若者たちに受け継いでいくことが
フジゼミにとって大切な責務だと思います。
 
そういうわけで,K君の入塾から合格に至るまで,
何を,どこから,どうやったのか,
膨大な学習記録を掘り起こし,この場で紹介していきたいと考えています。
 
なお,少年院という経歴についても,
ありのままを伝えたいというK君の意向を受けてそのまま掲載することにしました。
 
 
題して『少年院から早稲田へ 全記録』
 
 
これから挑戦しようとする多くの受験生の背中を押せるよう
鋭意更新をがんばります!
 
 
 
 
追記:
 
K君のような事例を報告すると,
「もともとデキる子だったんでしょ?」という声が聞こえてきそうですが,
彼の出身はごく普通の家庭で,確か両親とも高卒です。
幼児教育を受けたわけでもなく,
進学校に通っていたわけでもありません。
福山市内の公立中学校を卒業後,
公立高校(偏差値41)は入学式から欠席で中退しています。(最終学歴は通信制高校卒業)
 
 
勉強とは無縁の人生から,
本気でやればゼロから1年で早稲田合格も可能だと証明したとも言えます。
 
そこに至るまでのリアルな様子を感じ取っていただければと思います。

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