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非行や不登校とどう向き合うか⑥回り道した若者のエピソードとは

塾長のコラム

非行や不登校とどう向き合うか⑥回り道した若者のエピソードとは

フジゼミにはいろいろと回り道をした若者が来るが,過去がどうだったのか,なぜそうだったのか…といった深い話は聞かないことにしている。

 

こちらからは聞かないが,雑談の中で本人から昔話としてエピソードを聞くことはある。

 

その中で印象に残っているエピソードを・・・。

 

 

O君は高校時代,突然不登校になった。
理由については聞いていないので分からないが,朝になると布団から出られなくなり,お腹が痛くなった。

 

 

O君のお父さんは,真面目な熱血漢という印象。
その印象どおり,学校に行きたがらない息子に対して毅然と対応した。
毎朝,布団を引きはがして起こすことが日課となった。
嫌がる息子を無理やり説得し,自転車で登校する後を原付バイクで追いかけた。

 

 

O君もその辺りは百も承知しており,学校の駐輪場に自転車を止め,坂道を上がり,父親の視界から消えたところで10分ほどやり過ごし,いま来た道を引き返した。
学校とは反対方向へと自転車を漕ぎ,角を曲がる・・・。
するとそこにO君のお父さんが仁王立ちしていた。

 

 

今だからこそコントのようで笑える話だが,当時のお父さんからすれば自堕落な息子にしか見えなかったのだろう。
烈火のごとく叱り飛ばした。
その日からO君は部屋を出てこなくなった。

 

 

顔から表情が消え,生気が消えた息子を見て,ようやくお父さんは気づいた。
無理やり学校へ連れて行っても,かえって子どもを追い詰めることにしかなっていない。
そう両親で話し合い,不登校を受け入れた。
そして,子どもが自ら何かをやると言い出すまで,ひたすら待つことを決意した。

 

 

それから約2年間,昼夜逆転生活だろうが,ゲーム漬けの日々だろうが,両親はそれを許容した。
みんながいるところで食事をとらないので,毎食部屋まで運んだ。
そうやって2年間が過ぎた頃,子どもから話しかけてきてくれた。

 

 

以上の話はO君のお父さんから直接聞いた話だ。

 

 

O君はその後,フジゼミで高卒認定試験を取って中央大学へと進学した。

 

もう数年間連絡を取っていないが,半年前にFacebookで友だち申請がきた。
今頃は大学を出て社会で活躍していると思う。

 

 

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