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非行や不登校とどう向き合うか④中学生の息子に悩む親から相談

塾長のコラム

非行や不登校とどう向き合うか④中学生の息子に悩む親から相談

ずいぶん前の話になるが,中国新聞に大きく取り上げてもらったことがある。
非行・ツッパリから塾を立ち上げた経緯などが紹介された。

 

 

その記事が出た直後,あるお父さんから電話をいただいた。

 

「中学3年生になる息子が荒れていて困っていたが,記事を読んで元気をもらった。
フジゼミには,かつて荒れていた若者が真剣に勉強していると書いてあったが,息子もそのような環境であれば何か気づいてくれると思うので入塾させてほしい」とのことだった。

 

中学2年生の頃から荒れはじめ,今は「高校なんて行く意味がない」と言っているそうだ。

 

 

お父さんは,「藁にもすがる思い」という言葉を出されたが,私は丁重にお断りした。

 

中学3年生ということは,今はまだ真っただ中。
これから先,バイクの免許を取ったり働いたりする中で,交友関係も行動範囲もどんどん広がっていく。
言いにくいが,もっともっと坂道を下るように親に心配をかけることを覚悟した方がいい。

 

 

中学3年生なので,強制すればイヤイヤながらも入塾するかもしれない。
だけど,1ヶ月もすれば「自分に進学は必要ない」と言って投げ出す可能性が極めて高い。
まだ15歳であれば,時間がかかるしたくさん失敗するもの。
多くの失敗を積み重ねたその先に,(おそらく18歳以上で)将来やりたいことが見えてきて,そのためには進学や学歴が必要だと自分から気づいたとき,その時のために,最後の砦としてフジゼミをとっておいてほしい。

 

 

どれだけ失敗していようが,高校中退であろうが,高卒認定を取って一気にその先まで駆け上がることもできる。
ただ,それには「自分で気づく」ことが大事であって,今フジゼミに入塾させるのは親からの押し付けにしかならないし,将来の「進学」という選択肢を早くに潰してしまうことにもなりかねないのです。

 

 

時間をかけて,自分の昔を振り返りながらそう説明した。
幸いなことに物わかりのいいお父さんで,ずいぶん納得してくれて電話を切った。

 

 

それから,半年から1年に1回くらい,相談とも報告ともいうような連絡がきた。
息子は高校へは進学せずに,いま建築現場で働いている。
暴走族に入っていたようで,いま鑑別所に送られた。
どうも入れ墨を入れたようだ…。
などなど。

 

 

そのたびに私は,「順調にいろいろな経験や失敗を積んでいますね」と答えていた。
そう言えたのは,お父さんが焦っていなかったからだ。
普通であればオロオロと狼狽えてしまうところだが,恐らくそういったものはもう乗り越えてしまっていたようで,「長い人生だからいつかは落ち着くさ」という肝っ玉父ちゃんになったようだった。

 

 

最後の電話から数年たったある日,お父さんから久しぶりに電話をいただいた。
子どもが今からでも高校へ行きたいと言い出した。こんな時はどんな言葉をかけるべきか」という相談だった。

 

「お父さん,時が来ましたね。今がフジゼミに連れてくるタイミングですよ」

 

それからしばらくして,初めて本人と会った。

 

つづく。

 

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