不登校 親 非行

非行や不登校とどう向き合うか②

塾長のコラム

非行や不登校とどう向き合うか②親は温かい目で見守ることが大事

私は「非行」をテーマに講演をする機会が多い。
聞き手は警察関係,学校関係,子どもの非行に悩む親の会などさまざまだけど,誰が対象であっても冒頭で必ずこう言っている。

 

「非行は止めるものではなくて止まるものです」

 

私自身,十代の頃は非行少年だった。
当然ながら,周りにいる友人・先輩・後輩も同じようなヤンチャ系ばかり。
では,そういう非行少年が周りに100人いたとして,彼らは数十年たった今,どうなったのか?
当たり前だけど,ほぼ全員が落ち着いている。
みんな仕事をし,家庭を持ち,ふつうの暮らしをしている。

 

罪を犯して刑務所に繰り返し出入りする者,薬物中毒になって今も苦しんでいる者,暴力団に入るなど別世界に行ってしまった者などもいないことはないが,その数は100人のうち合計で10人もいない。
90%以上は落ち着いているということだ。
割合的には相当高いと言えるのではないか。

 

では,彼らはなぜ落ち着いたのか?
別に「立ち直ろう」とか「更生しよう」と決意したわけではない。
言ってしまえば,年齢を重ねる中で自然と落ち着いていった。
それに尽きる。

 

わが子が非行にはしると,親は必死になって止めようとする。
それはそれで,親の気持ちはよくわかるし反対するつもりはない。
だけど,止めようと思っても止まるものではないというもどかしさがあり,親が必死になればなるほど,かえって子どもがどんどん真逆に行くケースも少なくない。

 

親の会に参加する親御さんは,全員が真面目な方々だ。
兄弟は普通なのに,本人が突然変異のように非行にはしったというケースが多く,もし非行にはしることがなければ,絵にかいたような素敵な親なのにと思う方ばかりだ。
それだけに,子どもが非行にはしった時の親の焦りたるや尋常ではない。
何とかここで止めなければと必死になる。
でも,頑張れば頑張るほど,「坂道を転げ落ちるように」どんどん悪くなっていく。

 

「人生長いんだから,気楽にいきましょうよ」とはなかなか言えないが,それでも経験者として言わせてもらえれば,この境地になった時に子どもの荒れは落ち着いていくと感じている。

 

非行にしても不登校にしても,つい子ども本人にスポットライトが当てられる。
原因探しにしても居場所づくりにしても,それはそれで大事だろうけど,もっと必要なのは「渦中にある親をどうサポートするか」というのが私の持論だ。

 

今とめようと必死になりすぎるのではなく,長い目でどっしりと構えて付き合っていけるよう,親が愚痴を吐き出せる場や,悩みを相談したり共有したりができる機会が大事だと思う。
そういう意味では,「親の会」の存在はとてつもなく大きい。

 

非行は止めるものではなく止まるもの。
言い換えれば,時間が解決するという部分が大きい。
だからこそ,身近で向き合う親を孤立させないこと,親が頑張りすぎないように支えること,いや,余計な口出しをせずに温かい目で見守ってあげることが大事ではないだろうか。

 

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