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自叙伝⑥(岩國ゼミ 中編)

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自叙伝⑥(岩國ゼミ 中編)

発表のテーマに何を選ぶか。

「金融ビッグバン」

「不良債権問題」

「行財政改革」

など,当時ホットだった話題は知識自慢の連中を相手にするのは危険すぎる。

経済系時事ネタで彼らがあまり知らないであろうテーマは何か・・・・

 

時は1997年。

当時,第一勧業銀行と四大証券を舞台にした金融不祥事が連日大ニュースになっていた。

世に言う「総会屋利益供与事件」だ。

 

総会屋について簡単に説明すれば,

株式会社の株主としての権利を濫用し企業から不正な利益を得る者および組織である。

1981年の商法改正によってほとんど絶滅したとされていた総会屋だが,

97年当時,メガバンクである第一勧銀や日本を代表する証券会社が

小池隆一という総会屋に数百億円ものお金を不正に供与していたことが発覚する。

 

第一勧銀会長の自殺

野村証券におけるVIP口座の存在(正確には損失補填特約口座)

などの金融スキャンダルが大々的に報道されていた。

 

「総会屋」

 

闇の匂いがぷんぷんするこのテーマこそ

岩國ゼミの面々と渡り合うにふさわしいではないか。

 

テーマが決まれば情報収集だ。

平日は國學院大学と明治大学の図書館

休日は近所にある月島図書館,京橋図書館,築地図書館をハシゴして

総会屋に関する書籍や情報誌を読み漁った。

 

だんだんレジュメが仕上がってきたが,

「まだこんなものじゃ足りねぇ」

岩國ゼミの面々をうならせるには,もっと知識武装しなければ・・・

 

もしかすると,この時の私は受験勉強以上に熱心だったかもしれない。

総会屋に関連する書籍を片っ端から調べ上げたいと考えた私は

国内で出版された全ての書籍があるという国立国会図書館にまで出向いた。

 

そうして迎えた岩國ゼミでの発表の日

・総会屋とは何か

・総会屋の手口とは

・なぜ企業は総会屋にお金を払うのか

・総会屋と暴力団の結びつき

・日本の総会屋一覧

などなど,この日のための調べ上げた知識を全て披露

 

そのうえで,

「暴力団・総会屋は必要か?」をテーマに討論した。

 

さすがに受験勉強を勝ち抜いてきたエリート諸兄もこのテーマには疎かった。

私主導のもとで討論は大いに盛り上がり,発表は幕を閉じた。

 

その日の飲み会だ。

尊敬する4年生から「ここまで盛り上がったことはない」と口々に褒められた。

私にとってこの発表がとても大きな経験になったことは言うまでもない。

 

その後は岩國ゼミへの積極性が格段に増えた。

以前は聞き役に徹していた勉強会も,討論の中心として参加するようになった。

無知を隠すために黙っていても得はない。

どんどん質問する→新たな疑問が沸く→さらに問う

とすることで討論は進むし,自分の知識も増えていく。
(フジゼミ生諸君,質問することを怖がってはならないよ)

 

この岩國ゼミが私の知的好奇心を高めることにどれだけ影響したことだろう。

政治,経済,環境,教育など,幅広い分野に興味を抱き
知識を吸収することにつながった。

 

 

大学3年生。

この頃,岩國ゼミは「経済」「政治」「グローバル」「教育」の4部会になっていた。

全体では100名を超える大所帯だったため,

各部会の部会長,副部会長,広報委員たちで岩國ゼミ全体の運営を担う「事務局」を構成していた。

岩國ゼミの代表である事務局長には小山有彦氏が就任

私も経済部会の副部会長として事務局メンバーになった。

 

3年生の1年間は,経済部会と事務局の運営に明け暮れた。

そして大学4年生になると同時に

岩國ゼミの三代目事務局長に就任した。

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